プライベートな庭と軒の深いテラスがある家Y様邸

石貼りの外観に風格を感じ、
室内では木のやさしさに包まれる。
素材それぞれの持ち味を生かした住まい

家族の時間、家事、趣味。充実した暮らしが叶う空間に

ご主人 いつか自分の家を建てたいという思いはずっとありました。結婚してしばらくは賃貸住宅に住んでいましたが、子どもができる前にと家づくりをスタート。実家に面した土地を購入しました。自分が勤めている阿部建設でつくることは決めていましたが、他社の住宅も見てインスピレーションを高めたいとハウジングセンターにも出かけましたね。
家づくりを始めてから子どもを授かり、設計する上で必ず設けたかったのは、子どもが安全に遊べる庭です。ほかに、趣味のバイクを置いたり作業したりできるガレージも外せませんでした。

奥様 私はそれほど強い要望はなかったのですが、実家では6人家族みんなが自然とリビングに集まっていたので、新しい家にも家族揃ってくつろげる、居心地の良いリビングがほしいと思いました。畳スペースもあって、子どもと遊んだり、ゴロゴロとのんびりしたりできるといいな、と。
ほかに希望したのは、家事のしやすさです。特に、洗濯して、干して、たたんで、しまってという一連の流れを一箇所でスムーズにできるランドリースペースをつくってほしいと伝えました。

ご主人 外観については、築100年ほどの実家の隣に建てるので、その風合いとかけ離れない、どっしりした構えにしようと考えました。そこで素材に取り入れたのが、重厚感のある石です。凹凸のあるものを選んだので、陽光が当たると陰影が浮かび上がるように見えます。汚れにくさや耐久性もメリットです。また、この町は焼き物で知られており、地元の会社のタイルも取り入れました。テラスの床のほか、室内ではトイレや洗面所の壁などに使っています。
試行錯誤したのは、庭と駐車場の間に設けた目隠し用フェンスの高さです。子どもが遊ぶ時の安全性を考慮してフェンスで外側と区切り、視線もさえぎったプライベート感のある庭にしようとしました。フェンスを設置するため、建物完成後に庭側と外側の両方向からの見え方を確認し、全体のバランスの良い高さを検討。予定していたサイズを変更し、設置しました。
また、建物内は玄関をあえて暗くしたいと考えました。落ち着いた雰囲気にするとともに、玄関からリビングに入った時にパッと明るく開けるような印象というかストーリーを感じさせる家を目指したんです。

場所ごとに材木を使い分け。ライフステージの変化を見据えた設計に

奥様 家づくりは基本的には99%、夫にお任せでした。実際に暮らしてみて、レイアウトが気に入っています。キッチンで料理していても、ランドリースペースで家事をしていても、リビングにいる子どもの様子がわかるので安心です。それに、木の家ならではの落ち着いた雰囲気、肌ざわりの良さ、香りもいいですね。子どももよく床にペタッと引っついていますよ。

ご主人 床材は3種類を使い分けています。1階は良質で幅の広いナラをメインに、洗面所には堅くてキズがつきにくいタモを。2階は耐久性に優れ、木目の美しいクリを選びました。ほかに、天井にはスギを使っています。歳月が経つと色調が濃くなるので、経年変化を楽しめていいのではないかと考えました。無垢材の床はサラリとして心地いいので、スリッパではなく、はだしで過ごすことが多くなりましたね。
妻の希望だった家族でくつろげるリビングは、テラスの軒を深くして、天井が外までつながっているような広がりを持たせました。ゆったりとした雰囲気に加え、窓が雨で汚れにくいといった機能的なメリットもあります。リビングの一角には畳スペースも設けています。

奥様 前の家よりも、家事がしやすくなりましたね。便利な家電も取り入れたこともあり、食事の後片付けもラクです。
それに新しい家の良さは、立地にもありますね。夫だけでなく私の実家も近く、子どもを連れて散歩がてら両家によく出掛けるようになりました。以前はほとんど会えなかったけど、今は週に2日ぐらいおじゃましています。親も喜びますし、コミュニケーションがとれていいですよ。近所に住む親戚から食材のおすそ分けをもらうこともあったり。自分たちの住まいができて生活しやすくなった上、頼れる方たちが周りにいて安心しています。

ご主人 これから実家の親たちを招待してバーベキューを楽しみたいですね。庭やテラスと一体的にリビングやキッチンも使えるので、準備や片付けがスムーズだし、それぞれ好きな場所で飲食したり話をしたりくつろいだりして。定期的に皆で集まって過ごせたらと思います。

ご主人 もし家族が増えていっても、そうして仲良く暮らしていきたいですね。今、子どもは一人ですが、実は3人まで想定して家を設計したんです。さらに30年40年と年月が過ぎ、私たち夫婦が老後を送るようになったら、1階だけで生活することも視野に入れています。その時々のライフステージやライフスタイルに合わせて間取りを変化させながら、一生この家で心豊かに暮らしていきたいですね。