四世代が集うリビングとウッドデッキのある家U様邸

共用スペースに加え、
それぞれの居場所を設けることで「個」も大切に。
幅広い年代の「心地よさ」を叶えた住まい。

ライフステージが変わっても飽きることのない普遍性を重視

ご主人 祖母、両親、僕たち夫婦と子どもという四世代が暮らしていた家を建て替えようということになりました。築50年ほど経ち、増改築によって生活動線が複雑になり、夏は暑くて冬は寒い環境だったので、それを解消したかったのです。

奥様 空間が襖で仕切られ、住みづらさを感じるようにもなっていました。子どもが生まれ、私たちも30歳代に入って、そろそろ生活しやすい新しい家をつくろうかって話し合いました。

ご主人 新しい家に求めたのは、第一に気密性・断熱性です。飽きないデザインや普遍性もポイントでした。今“かっこいい”と思っても、50歳、60歳になった時には感覚や価値観が変化しているかもしれません。でも普遍的なデザインなら、僕たちも親世代も、今も将来も、気に入ると考えたからです。

奥様 私は、今、家事と子育てがしやすいこと、将来は子どもが独立して夫婦ふたりになった時に生活しやすいことが希望でした。例えば、キッチン、トイレ、洗面室、浴室といった水回りはまとめて、一直線の動線にすると便利だなって。また、祖母と両親にとっては思い出深く長年住み慣れた家を建て替えるわけですから、要望をしっかり聞きたいという思いがありました。

ご主人 祖母と両親はやはり生活スタイルを変えたくない気持ちが大きかったと思います。「法事や地区の集まりの時に使えるしっかりした和室がほしい」「周りの日本家屋に馴染む外観がいい」という要望がありました。90歳代の祖母が快適なように、また自分たちの将来を考慮して、バリアフリーは必須でしたね。トイレも広めのスペースを確保したいと思いました。

モデルハウスと完成見学会へ。ご両親も気に入った阿部建設に決定

奥様 新しい家のイメージは主にインスタグラムで情報収集しました。デザインやテイストを重視して、地域は問わず気なるハウスメーカー・工務店をチェック。ある時、夫とすり合わせてみたら、ふたりとも阿部建設が手がけたキッチンなどの画像を保存していたんです。

ご主人 家づくりを依頼したい会社を3社に絞って順番に見学し、2番目の会社で設計契約までいきかけました。しかし、最後に阿部建設のモデルハウス「手しごとの家」を見たら、「ここだ!」と感じたのです。

奥様 なんというか家での生活が見えるような感覚でした。両親の反応も断然良かったですね。

ご主人 さらにその2週間後ぐらいに完成見学会に行った時、確信に変わって、その場で「お願いします」と言っていましたね(笑)。

ご主人 家づくりでは、抽象的になりがちな両親の話からどのように気持ちを汲み取るか、世代でズレのある重点ポイントをどう新しい家に落とし込むかに心を砕きました。たとえば、親は「神棚を設けたい」という希望があり、それには僕たちも異論ないのですが、設置場所は居室の中心ではなく、もう少し目立たないところがいいなと思いました。

奥様 ほかに、両親には長年住んできて愛着のある家の「木材を活かしたい」「家具を使い続けたい」といった希望もありました。そこで阿部建設の担当者が提案してくれたのが、梁を床の間の上がり框に再利用し、婚礼家具をそのまま収めるウォークインクローゼットを設ける活用方法です。どちらも今も大切に受け継いでいます。

開放感を満喫し、木や漆喰の風合いを楽しめる、新しい住まい

ご主人 話し合いを重ねて完成した新しい家。実際に暮らしてみて、漆喰の壁っていいなと感じています。両親が真っ白には抵抗があったので、少し生成りっぽい色みを入れました。最初は予想よりムラがあるように感じたのですが、日々見ているといい雰囲気をかもしだし、この表情とか風合いを楽しむものなんだなと実感しています。天井の木も家に自然と馴染み、いい感じです。そして材質と幅を吟味して決めたオーク材の床は、壁や天井の色とのバランスや、素足で歩いた時の肌ざわりがいいんです。休日にはオイルを塗って手入れも率先してやっていますよ。今のこの風合いも好きですし、これからの経年変化も楽しみですね。
ほかに、僕がもともと希望していた、リビングから段差なくつながるウッドデッキも気に入っている場所です。祖母と娘が並んで空を見上げている様子を室内から眺めたり、自分も外に出てぼーっとくつろいだりと心地よさにひたっています。

奥様 夫と同じく、漆喰の壁がとてもいいなと感じます。昼と夜とでは表情が異なり、眺めていると心が和むんです。一番長い時間を過ごすリビングは、広くて開放感があり居心地が良い上、吹き抜けの勾配天井なので2階に子どもがいる時は声が聞こえて安心します。
キッチンはデザイン性にこだわったので、眺めても、使っても、気持ちが上がりますね。特に検討を重ねたところは、ステンレス製天板、ビルトイン食洗機、タイルです。天板は厚みをできる限り薄くしたかったので、いくつかのメーカーのショールームに足を運び、希望に合うものを探しました。デザイン性を重視しつつ予算とのバランスも悩みどころでしたね。食洗機はデザインがかっこいいだけでなく、高機能で鍋も入れられるほどの大容量。家事を軽減できるキッチンが叶いました。

ご主人 家族みんなで一緒に楽しめる場もあるし、個々で過ごす場もある。そんな「共有」と「個」を両立できる住まいになったと思います。それに以前と比べ、とても快適になりました。特に冬は床下エアコンのおかげでじんわりと温かいんです。室内エアコンは使っていないと父に言ったら、驚かれましたね。
また、家を建て替えてから、近所の人がふらりと立ち寄る機会が増えた気がします(笑)。

奥様 ママ友やほかの家族も自信を持って家に呼べますしね。
「共有」という面では、家族が顔を合わせるような動線に配慮してもらったのが良かったなと改めて感じます。ふれあう機会や場があると、心の距離が生まれにくく良い関係が保てますよね。
将来は子どもが独立したら、子ども部屋を私たちの趣味の部屋にしたり、1階で生活を完結できるよう整えたりとライフステージに合わせて変化させながら暮らしていきたいですね。目指すは100年住む家です!

ご主人 長く暮らすために、やはり天然の木や自然素材はポイントです。質感も居心地もぐっと高めてくれます。

奥様 改めて振り返ってみると、同居型の二世帯住宅をつくるには、それぞれの要望に対してお互いが柔軟に捉えることが必要だと思います。親世代は頭の中の考えをうまく言葉でまとめられなかったり、図面を立体的に想像するのが難しかったりするようなので、そこを配慮しして丁寧にサポートすることが大事かな、と。もし可能なら、モデルハウスやショールームへご両親も一緒に行くといいのではないでしょうか。サイズや素材を体感してもらうことができ、その際の反応も分かりますから。
また、わが家では多数決も利用しました。浴室の仕様とか外壁を決めた時は、いくつかの候補のうちどれがいいかを皆で一斉に指で差したんです。なんと全員一致して問題なく進んだわけなんですけど(笑)。もし意見が違ったとしてもお互いに押し通したりせず、話し合いを深めて全体のバランスを取りながら、家族みんなの家を実現することが大切ですね。