名古屋へ転勤になった15年ほど前、家族で移り住むマイホームづくりを始めました。幼かった3人の子どもたちに「家の記憶」をプレゼントしたいなと思ったんです。敷地は父が所有していた土地がありましたが、プランはハウスメーカーを何軒かあたっても、なかなかコレと思うものに出合えませんでした。インターネットでも調べるなか、見つけたのが阿部建設です。センスがよく個性豊かな木の家が気に入りました。実際に会社を訪ねたところ、地域にしっかりと根を下ろして信頼を得ている、真面目な社風も伝わってきましたね。ここなら間違いない、そう確信しました。
家が建つ場所は、古くから町家が建ち並ぶエリアにあり、間口に対して奥行きの長い敷地です。この特性を踏まえ、「外を閉じて内に開く」というコンセプトに決まりました。道路側にガレージを置いて外からの視線を遮り、４つの中庭を設けることで居室に開放感をもたらします。ダイニング、リビング、和室、どの部屋からも視線が緑の庭に抜けるので、心地よさ満点。わが家は来客が多いのですが、思い思いの場所に集いながらもくつろぐことができ、居心地がよいと知人友人たちにも好評なんですよ。
暮らしの質も、大切にしたポイントです。室内は柱を表面に出す真壁造りで、柱には東濃ひのき、梁には三重県松阪の杉、床には南木曽のアカマツを使い、木の香り漂う心落ち着く空間にしました。間接照明をうまく取り入れたリビングでは、夜は庭をライトアップしたり、好きな音楽を流して、ゆったり過ごしています。階段の下には木製の本棚や机を設置し、書斎コーナーとして活用。読書をしたり、子どもが小さいときには宿題をしたり、大勢の来客があれば歓談スペースの一つにしたりと幅広く利用しています。
また、OMソーラーは空気の流れをよくするために導入したのですが、予想以上に快適です。真冬でも室温が10度を下回ることはなく、リビングでストーブを使えば、家全体が暖かくなります。心身ともにリラックスできるのがうれしいですね。
こうしたわが家ができたのも阿部建設と出会えたおかげと、ご縁に感謝します。歳月が経った今、無垢の木や藁スサ入りの漆喰は経年変化で味わいをより一層深めています。完成当時、小学生だった長女も今は成人。すくすく成長していく3人の子どもたちの様子を、この家がずっと見守り続けてくれています。そしていつの日か、子どもたちが巣立っていったら、ここをB&Bみたいな小さなゲストハウスにできれば‥。老若男女を問わず、さまざまな人が、さまざまな国から、口コミでやって来たら楽しいだろうなと思い描いています。
この家がこれからもきっと、私たち家族のつながりを深め、未来への希望を広げてくれるに違いありません。
