
T様邸は、12年前、お母様のご親戚が営む工務店で新築されました。
「将来はどんな家族構成になるだろう」と様々な夢を膨らませた打合せ。若いT様ご夫妻の相談に、親身に応えてくれたのが、棟梁(大工さん)でした。
ところが、その棟梁が他界したため、その工務店はやむを得ずのれんを下ろすことに。いずれ増築しなければ、と考えていたご夫妻が「どこにお願いしたらいいのかしら」と、漠然と抱えていた不安は、お子様の成長と共にだんだん現実のものになっていきました。
そんな中、ご主人様が異業種交流された場で、阿部建設との出会いがありました。建物見学会へ参加され、阿部建設の仕事、家造りのデザインや使う建材に至るまでしっかり吟味され、正式にご依頼くださいました。

阿部恵彦が担当となり、計画を進めることになりましたが、ここで大きな問題が発覚。住まいの空間を増やすため、2階を増築することが早々に決まりながらも、本宅の図面が一枚も残っていなかったのです。本宅と増築部分の屋根をつなぎ合わせる工事をするためには、本宅の部分がどのような工事を行っていたかを確認しなければなりません。屋根は雨露をしのぐ家にとって重要な箇所なので大変です。
この状況を踏まえ、阿部建設では、屋根の重みを軽くするため、瓦を下ろし、増築屋根とをつなぎ合わせる工事をすることで、この難関をクリアすることができました。今回の工事で、本宅の1階、増築部分も含んだ2階の図面をしっかりと作成もしたので、もしもまた10年後に、T様が家を直したい時が来ても、今度は安心です。
新築当時は、できるだけの力で精一杯の家を建てました。以来、地域のみなさんとのご近所づきあいも続き、楽しく暮らしてきました。
しかし、いよいよ増築しよう、と思ったときには、頼りにしていた棟梁がいないので、本当に困りました。名古屋にも色々なリフォーム屋さんがいますが、依頼先をを決める基準、情報が私たちにはありませんでしたから、阿部さんとの出会いは、とても貴重なものでした。
元々、自然素材の家は夢だったので、実現できて喜んでいます。収納スペースも増え、妻は念願だった自分の趣味の場所が出来、みんなが満足しています。お陰様で、私も肩の荷がおりました(笑)。ありがとうございました。
増改築工事の場合、阿部建設では現状を把握するための「健康診断」を実施し、ご希望に合わせた処方を考える事からはじめます。何を改善したいか、どんな住環境にしたいかの聴き取りをし、予算とにらみ合いながら優先順位を決めていきます。
T様邸では、子供部屋の確保とファミリールームの実現が最優先。次に耐震性能を見直すことに決まりました。さらに、可能な限り断熱性能を上げることを目標とし、工事がスタート。
耐震性能の見直しとしてまず取り組んだことは、屋根を軽くすることでした。増築によって建物の加重が増すため、瓦は板金屋根へ葺き替え。また外壁を剥がして、筋交い、構造用合板、金物の補強を行い、耐震性をあげました。防水シートの採用と、外壁側に空気層をとることで、湿気対策と断熱性能アップも実現しました。
素材は、ご家族の体にやさしい自然素材をたっぷり使用しています。内装材を国産の杉梁と桧の柱でまとめ、壁は漆喰仕上げとしました。また、子供部屋、ファミリールームの他に、ご家族の夢の空間、ロフトも設けています。

家に対する不満点を見直し、快適に過ごせる住環境を実現すると、住む人が愛着を持って末永く暮らすことができ、家の寿命が延びます。
増改築は、豊富な知識と確かな目利き、それに経験と技術も持ち合わせなければならないため、私たち造り手にとっては、新築以上に難しいものかもしれません。しかし、ECOにもつながるこの事業を、私たちは心を込めて行っていきたいと思います。